同社では,エクソンモービル社の炭化水素系溶剤や,ダウ・ケミカル社のアミン,グリコールエーテルをはじめワックスから,溶剤,化成品まで約8,000種類に及ぶ商品を取り揃え,大東油槽所(大阪府大東市)と行田事業所(埼玉県行田市)を中心に各地にある営業倉庫から全国へ安定供給を図っている.
今回は,同社代表取締役社長の佐久間 導人 氏(写真1)に,行田事業所での環境対応型洗浄剤を始めとするカスタムブレンド溶剤の受託開発や今後の展望等について話を伺った.
2021年10月には,東京ドーム半分ほどにあたる約7,300坪の敷地面積がある行田事業所(埼玉県行田市)を開設し,化学品の在庫・物流に加え,独自ブランドの環境対応型溶剤「VCクリーン」を開発し製造を開始した(写真2).
施設には指定可燃物や危険物などが貯蔵されているが,この中でひときわ大きな施設で洗浄剤の製造や充填,品質管理などが行われている.SUS 100kLの地下タンクが隣接しており洗浄剤や切削油に使用される溶剤などが貯蔵されている(表1).
写真1 代表取締役社長 佐久間 導人 氏
写真2 行田事業所
受託ブレンド事業について佐久間社長は,「特に第2石油類から第3石油類への引火点の変更などの要望が多いです.性能を落とさずに機能面を強化した溶剤を選定することで職場の作業環境改善や法令対応などに適した洗浄剤をご提案しています.最近よく聞かれるのは,今までお願いしていたメーカーでは製造できなくなり小分けして欲しいといったことや,西日本のメーカーからは,関東以北に工場がないので製造して欲しいという声も増えています.」と受託ブレンドの要望について語る.
同社では蒸留範囲や引火点を測るための分析機器も充実している(写真5).
佐久間社長は,「自社製品のVCクリーンも代表的な商品を用意していますが引火点や汚れに対してのカスタマイズをしています.受託ブレンドも数多くの原材料を持っていることと独自の引火点や沸点範囲のコントロール技術でお客様のニーズに幅広く対応できるのでぜひご活用ください」と述べた.
写真3 自動充填機(左:200L,右:18L)
写真5 分析機器(ガスクロマトグラフ)
写真4 ブレンド釜(左:3,000L,右:11,500L)